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学校で映像科が選択科目に

最近、衛星放送や通史衛星を利用した専門チャンネルなどの増加で、番組ソフトの不足が深刻な問題となってきている。 当然、番組価格は高騰し、ソフトパニックとも呼ばれる事態を生んでいる。

実際、世界の放送局における番組制作費は、最近では年率17%も上昇しており、オリンピックやスポーツイベントの放送権料も急激に上がっているという。通信メディアの充実によって世界的な多チャンネル化の傾向が避けられない以上、日本としても何か徹底した対策を練らなければならない。私は。その根本的解決の一方法として、高校の授業で映像科を選択科目とする事を提案したい。映像理論や演技論及び機器の取り扱い、番組の製作実習まで正課に取り入れるのである。もちろん、これは創造的な勉強であるだけに学生にも大いに歓迎される筈である。学校毎に成果を競う各種のコンクールも盛んになるだろう。大学も官立の映像専門の大学や、俳優やキャスター専門の養成学校を各地に作り、その入試の際は芸大が実技を重んずる様に、映像技術や演技力の是非で合格させる大学や要請学校があっても良いと思う。こうすればソフト提供者の裾野は国民レベルまで広がるだろう。裾野が広がれば良質のソフトの供給は必ず増える。こうした教育を受けて社会に出た学生は、特に映像関係の仕事に就かなくても良質な視聴者として映像ソフトのレベルを上げる役割をするだろう。言語の障壁や人手不足、そして非論理的で情緒的過ぎる製作内容が災いしてか、現状では映像産業において日本は大幅な輸入超過国ではある。

しかし一方では世界的にヒットしているドラゴンボールなどのアニメを創っている国でもある。高度情報化社会は、高度映像社会と見直して国をあげて本気で取り組めば、世界的な評価を得られる良質のソフト供給国になるのに、それほど時間はかからないと思う。

渕辺俊一著