
日本経済新聞に記事掲載されました。
JCC、ホテル参入
県内外食最大手 南城で来年12月
沖縄県の外食最大手、JCC(糸満市、渕辺俊一社長)はホテル事業に参入する。 約7億円を投じて、沖縄県南城市の海岸沿いにリゾートホテルを建設、来年十二月の開業を目指す。 県内の外食大手がホテルに進出するのは初めて。 個人消費の低迷や原材料価格の上昇など外食産業に逆風が吹くなか、観光需要の増加を背景にホテル事業を新たな収益源に育てる。
南城市玉城の新原ビーチの近くに土地を確保した。ホテルは延べ床面積約二千五百平方メートルで、来年春にも建設を始める予定。 部屋数は十数室程度と少ないが、一部屋当たりの面積は約六十六平方メートルと広い。全室海側に面しているため、宿泊客は夕日などを楽しめる。 ホテルのコンセプトは沖縄文化の発信や自然との調和。部屋には沖縄の民家の特徴である赤瓦を使用するほか、敷地内には ガジュマルなど沖縄特有の樹木を多く植える。 沖縄民謡やジャズ演奏などを楽しめる和風の音楽ホールや、客室棟と多目的広場を結ぶ回廊を設置し、独自性をアピールする。 価格は朝夕食付きで一泊一人三万ー五万円の見通しで、団塊の世代など中高年層を中心とした観光客を呼び込む。 初年度の売り上げ目標は約三億円。 九月の沖縄県への観光客数は約五十三万人と同月として過去最高を記録。 近年は外資や本土資本のホテル進出が相次いでいる。今回、県内の外食産業最大手が新たに参入することでホテル業界の競争は一段と激しくなりそうだ。 JCCは一九九三年に設立、沖縄県を中心に四十一店舗のレストランを展開している。 琉球時代の貴族や庶民の文化をイメージした料理や内装など、店舗によってそれぞれ特色が違うのが特徴だ。 二〇〇九年五月期の売り上げ高は約四十億円と前期に比べ約一四%増える見通し。